箒と星と


ミスチルの「箒星」を聴いている。さすがミスチル,いい曲だねえぇ。ちょっとさ,歌詞を音に乗せるテクニックが変わった?ような気が……。昔さぁ,ある言語学者宇多田ヒカルの「Automatic」を考察して話題になったけど,日本人の歌手が日本語を意図的に分断して歌ってる,って。「♪な・なかいめの・で・んわで〜」,要は,七を「な・な」に,電話を「で・んわ」に分けてるから,ど〜なんやろ,って。意味分かる?まぁ,そんなんどうでもいい話なんやけど。この「箒星」もさ,スピード感溢れる音に日本語を散りばめてるような印象があって,面白いなぁ,なんて思った。アルバム「深海」の頃はさ,なんかのっぺり平面的だったのが,アフター深海は,すっごく詩が立体的に聞こえるんだよね。


コトバはときに言霊とも言われるほど,その背景に深い含意があったり,僅か数音節(拍)のコトバでも,それを聞いた人に印象が強く残ったりするのは何故だろう?一度聞いただけで耳に定着するようなコトバやフレーズがあるでしょ?「音相」という理論というか,考え方がある。ネーミング(名付け,命名)等において,コトバやフレーズがどのような情緒を持っているかを検証したり,それらの音がどの程度のインパクトを持っていたり,与えたりするかを検証する研究。どちらかと言うと,音声学に近いかな。でもねー,本は非常に読みやすく,分かりやすいよ。ちょっと紹介してみます。最初の本は筆者も買いました(行方不明だけど)。二冊目は図書館で借りて読みました。

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音声学でちょっと思い出したんだけど,このあいだ京都に行くとき近鉄に乗ってたら,中学生の集団ががさぁ,「丹波橋(Tambabashi)って,ローマ字で書いたらなんで[m]なん?」って会話をしてたんですよ。これは逆行同化(regressive assimilation)っていう現象で,前の音が後ろの音によく似た音になるという現象やね。丹波橋って発音したらさぁ,「ん/N/」って言うとき,唇が閉じるでしょ?それは次の「ば」が唇を閉じる破裂音だから,影響を受けてる訳ですなぁ。なんて,心のなかで思ったことを思い出した。


さらにどうでもいいことを書くと,勤務先の子どもたちが好んで「むり(無理・ムリ)」というコトバを使ってるなぁ,と思って。前の学校でも,けっこう使う子どもがいてさぁ。言い切りの形をカッコいいと思って使ってるんでしょーかね。誰かお笑いとかで,流行らしてる人いるのかなぁ。例えばね,


先生 「○○くん,帰る用意しようか」

子ども「ムリ!」

先生 「………(ムリ!っておまえ,どーゆーことやねん!)」


こんなふうに。発音も/muri/じゃなく,分かりやすく書くと,/mri/って聞こえんですよ!2音節(拍)を無理やり1音節(拍)っぽく言ってるんだよね。イメージ的には「ストライク」を[straik]って発音してるみたいな。


先生やってるみなさん,どうですか?コメントお待ちしてたりして。


昔むかしに作ってた短歌より


夏のチョコ君も一緒に食べてくれ!解(と)けてく気持ち感じるときには


解釈はこれまたおまかせで!