開いた口が

大分県の教員採用試験をめぐる問題だけど、多くの都道府県では、やっぱり委員長をトップとした教育委員会だけで選考、採用をやってるからだと思う。採用試験の前だというのに、受験生にはお気の毒なニュースで、お気の毒ついでに、大阪府では20代で4%、30代で8%の給与カットを橋本知事が示しているし、なんだかなぁ。

おおいた評論:みんな怒ってる /大分
6月23日15時1分配信 毎日新聞


 開いた口がふさがらないとはこんなことを言うのだろう。人の道、公平公正を教えているはずの小学校長(当時教頭)ら4人が逮捕された教員採用汚職に、怒りが収まらない。支局にも「親が教師だと合格できるのなら、何のための試験か」といった電話がかかる。
 教員採用試験の事務を掌握する県教委の当時の課長補佐に校長が400万円のわいろを渡し、わが子2人の合格工作を頼み込んだ前代未聞の不祥事だ。頼めば何とかなるというおごりがあり、仲介したのも元校長と教頭の夫婦だから、教師の子は便宜を図ってもらえると思われても仕方ない。
 団塊世代の退職が始まっているが、県内の採用者数は横ばい。今春採用の競争率は小学校11・5倍、中学校17・3倍、と狭き門だ。こんなことがまかり通るなら、まじめに教職を目指す若者が浮かばれない。
 昨年、福岡で発覚した小中学校教員採用試験問題漏えい事件の判決で、福岡地裁は「試験の根幹を揺るがす行為」と厳しく指弾した。今回はそれ以上に悪質だ。報告を受けた文部科学省の局長は「全国でも例がないだろう」と、試験の改善を注文したという。
 「何重もチェックしているのにそんなことが出来るなんて……」。逮捕直後、県教委幹部らは首をかしげたという。点数など合否資料は複数の職員が2度読み合わせしたり、3人1組の面接官が資質や模擬授業を審査したりする。1人の裁量で合否が左右できるはずがないという思いだったようだ。それでも課長補佐は容疑を認めており、合否を操作できる落とし穴があったのだ。
 来春採用の1次試験は、1カ月先に迫っている。教員採用への不信はちょっとのことではぬぐい去れない。「情実採用」という汚名をそそぐためにも、合否判定に第三者を入れるなど仕組みを改め、教員も甘い考えを捨てるしかない。<大分支局長・嶋岡倫志>

6月23日朝刊

最終更新:6月23日15時1分
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