たけしの教育番組

たけしの日本の教育を考える特番を見ながら書いている。と―――学級崩壊を体験した教師たちの再現ドラマが出てきてね。




ある小学校の5年生の担任教師(男性)は,受け持つことになった子どもたちに違和感を覚えていた。指示には従うのだが,教師の顔を見ない,40人の冷たい視線を感じながら日々の教育活動を行っていた。ある日,一人の子どもが授業中にトイレに行きたいと言い出した。そのガキをトイレに行かせた次の瞬間,次から次へと子どもたちがトイレに行き,教室から半分くらいの子どもが出て行った。更にある日,テストを返却する際に,女子児童の腕に触れてしまったことから「セクハラだ。教育委員会に訴えてやる!」なんて騒ぎ,クラス全体の収拾がつかなくなってしまう。それからはもう,担任の指示なんて通らず,廊下に並べない,何を言っても聞かず,教室では殴り合い,仕方がないので,授業の大半をプリント学習に切り替えて,一枚出来たら休み時間とか,そんな方式に転換したそうだ。保護者からは毎日のようにクレームの電話,その対応にも追われ。もうね,最後の最後は,3月の修了式の日までのカウントダウンカレンダーを職員室の机につくっておいて,1日が終わるごとにめくっていったんだって。


保護者もさぁ,くるくるパーな無理難題ばかり言ってくるのが多いらしく,幼稚園の学芸会で桃太郎をやったとき,主役をやりたい子どもが18人いたので,全員を主人公にして劇をやったんだって。桃から18人の桃太郎さん登場,みたいな。もう,何でも学校に言ったら通ると思ってやがるんだよ。


近頃,この種の番組が多く,スタジオに教師やら評論家が出てるけれども,やっぱりね,実際に学級崩壊の教室にいた者にしか分からないことって,たくさんあると思うんだよね。そりゃ,穏やかでない学級で一人ぼっちの孤独な戦いをするわけだから,その苦悩たるや想像に難くない。クラスがおかしくなってきたら,複数教員を配置する公的な制度をつくるとか,無理かなぁ。担任が休んでしまってからじゃ,やっぱり崩壊は良くはならないと一昨日の番組でも言っていたよ。筆者も,カウントダウンカレンダーをつくってましたので,よく気持ちが分かったような……。