ハートをつなごう

NHK教育テレビハートをつなごう」という番組で発達障害について特集していた。自閉症,広汎性発達障害などの子どもを持つ父親が出演していて,そのなかの一人のエピソードになんとも言えない気持ちになった。


中学生の自閉症を持つ父親。なかなか息子の障害を受け入れられず,ときに家を追い出したり,暴力的な振る舞いをしていた。自閉症という障害が恥ずかしく,誰にも知られたくなかった。一方の母親は,はやくから障害を受け入れ,自主的に勉強会に参加するなど,前向きな姿勢だった。


ある年,父親は我慢できなくなり,息子を母親に託し,実家のある北海道へ帰って頭を冷やそうとした。しかし,鬱を発症してしまう。ある日,湖に車を走らせ,森に入り自殺しようとした。夜の真っ暗闇の中,ふと光るものが見えたらしい。それはヒグマの目だった。一目散に逃げ,車まで何とか戻った。絶望のなかでも死にたくないという思いに,父親は息子と向き合う決心をした。この出来事がきっかけで,息子と向き合い生きていく決心をしたんだって。


発達障害の子どもを持つ3人の父親が出てたんだけど,やっぱり他の父親も子どもの障害となかなか向き合おうとしなかったらしい。それは,仕事や世間体だけでなく,精神的な疲労感もあるのだということだった。


「治るなら治してやりたい」ある父親の言葉が印象的だった。